2022.02.07

「自分が本当に好きな絵本を読んでみる」

Column

はじめまして。「5冊だけの本屋」という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。

「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」

これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。

子どもの頃に好きだった絵本は何ですか?

この連載のお話をいただいてから、私自身が幼い頃に好きだった本はなんだろうと思い出してみました。すぐに頭に浮かんだのは、ミッフィーこと「うさこちゃん」シリーズ。そして、国語の教科書で出合った『スイミー』でした。どちらも長年愛されている名作です。幼少期の私には、もちろん物語の奥深さを理解するよりも先に、これらの絵を好きになりました。

『うさこちゃん』シリーズは、シンプルなのにパキッとした色使い。ずーっと眺めていてもまったく飽きず、むしろ脳裏に焼き付くほどのインパクトでした。ミッフィーと出合ってからというもの、私の身の回りのものは随分とミッフィーやうさぎのものが増えた気がします。もしかしたら、黄色という色が好きだったのもこの絵本の影響かもしれません。このシリーズの黄色は特別きれいに見えました。

一方の、『スイミー』は、水彩で描かれた絵があまりにも美しく衝撃的でした。学校の授業で国語の教科書を開き、一面にその絵を見たときの光景は今でも鮮明に覚えています。

どちらも美しい絵で、大人になった今でも見惚れてしまいます。月日が経っても鮮明に記憶に残っている絵本に早い段階で出合えたことは、とても幸福なことだと感じています。絵本を開くだけで、祖母に読んでもらったときのことや、母親に呆れられながら同じ本を何度でも読んでとせがむ幼い頃の自分がよみがえり懐かしい気持ちになります。

『ちいさな うさこちゃん』ディック・ブルーナ 文・絵、いしいももこ やく 福音館書店

 ミッフィーは知っていても、実は物語は知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。この物語は、天使から赤ちゃんを授かることを告げられたお母さん。そして、そのお母さんとお父さんのもとに赤ちゃんが生まれてくるというもの。出産間もないママたちには、特にグッと胸にくる感慨深い一冊です。


『スイミー』レオ=レオ二、谷川俊太郎 訳 好学社

 絵の美しさもさることながら、物語も格別。読むたびに物語の形は変わり、弱気になる自分を励ましてくれます。みんなと一緒が当たり前の時代に、他の子との差異が自分の強みになると初めて痛感した本です。


おとなになってから出合った好きな絵本

『おやすみなさい』は、仕事や家事に忙しく過ごす私を癒してくれる大好きな絵本です。母親の絶対的安心感に包まれるこの物語は、昼間の緊張やストレスを和らげ、心地よい眠りへと誘ってくれます。子どもだけでなく、おとなにとっても眠る前にぴったりな一冊です。

『おやすみなさい』ヴィルジニー・アラジディ カロリーヌ・ペリシェ ぶん、エマニュエル・チュクリエール え、カヒミ カリィ やく アノニマ・スタジオ

 夜の森、オレンジ色で描かれた動物の親子たちは、だんだん心地よい夢の中に入っていきます。ベッドの中で、ゆっくりとささやくような静かな声で読んでみてください。やさしい気持ちで眠りにつくことができます。


絵本とつながるおとなのための2冊

 冒頭でご紹介した「うさこちゃん」シリーズ。その作者、ディック・ブルーナさんとそれを翻訳した石井桃子さん。絵本を作り、日本に広めたふたりはどんな人だったのか?ミッフィー誕生秘話から、絵本に込めたその思いを知ることでより一層絵本を楽しむことができます。

『ちいさな ぬくもり 66のおはなし』ディック・ブルーナ 絵、森本俊司 文 ブルーシープ

 ディック・ブルーナさんとはどういう人だったのか?ミッフィーの絵本に込められた彼の思いやこだわりなどをふんだんに盛り込んだ一冊。「うさこちゃん」シリーズの新たな発見があります。


『新しいおとな』石井桃子 河出文庫

 「うさこちゃん」シリーズの反響をはじめ、子どもにとって絵本とは何か、読み聞かせについて悩む母親へのアドバイス、子どもたちに読ませたい本などを紹介しています。子どもの好奇心を満足させ、自由な想像力を豊かにさせることを大切にした思いを綴っています。

あなたが幼い頃に好きだった本は何でしたか?今でもあなたが好きな絵本は何ですか?それらをもう一度手に取ってみませんか。おとなになってから読むと、幼い頃の思い出も相まって一味違う楽しみがあります。その思い出も含めて、お子さんと一緒に同じ絵本を楽しむきっかけになればうれしいです。

それでは、今夜もすてきな絵本時間をお過ごしください。


「5冊だけの本屋」ミホコの今日もハッピーエンド。

5冊だけの本屋 ミホコ

2015年に女性のための選書サービス「5冊だけの本屋」をスタート。お客様のSNSを拝見して、今のお客様にぴったりな5冊を選書している。本好きな女性にも、普段本を読まない女性にも、読書を楽しんでもらうために活動中。