2022.04.01

知っておきたい中学受験のこと vol.3 中学受験に向いているのはどんなタイプ?

Column

中学受験を考えたとき、気になるのが子どもの適性。中学受験に、向き不向きはあるのでしょうか?もしもわが子が中学受験に向いていない場合、あきらめたほうがいいの? そこで、「中学受験に向いている子・向いていない子」の特徴について、中学受験に悩むママたちに向けたサポートを行う、中学受験アドバイザーの西 和美さんにお聞きしました。実際に中学受験を経験した、先輩ママたちの声もまじえてお届けします。

中学受験に向き不向きはあるの?

中学受験の適性について、西さんの見解は?
「ほとんどのお子さんは中学受験に向いていると思いますが、どうしても勉強すること自体がつらくなってしまうお子さんは向いていない可能性があります。ただし、時間の使い方を考え、計画を立てることが習慣化でき、“勉強は楽しい”と思えるようになってくると、向いている子と大きな違いはなく、受験に臨めるようになってきます。ここで大前提になってくるのが、親子関係が良好であることです。お互いに信頼し合い、同じ目標を持ちながら進んでいけると、お子さんは勉強への意欲を見せるようになります」

中学受験に向いている子はどんな子?

続いて、中学受験に向いている子には、どんな特徴があるのでしょうか。

1.学ぶことや知ることが好きな子
「知的好奇心が旺盛で、学ぶことや知ることを楽しいと思える子は、勉強の時間や量が多くなっても知識を得ることを楽しめます」

2.自己管理能力が高い子
「自己管理能力とは、目標を達成させるための過程で、自分をどれだけ律し、管理できるかという能力のこと。自己管理能力が高いと、今やるべきことの優先順位がわかっているので、親に言われなくても自分で学習を進めることができます。これは持って生まれた能力というより、小学生になって親子で身につけてきた習慣です。友だちからの遊びの誘い、ゲームの誘惑などに流されず、自分自身を管理できる力があるということは、勉強時間も遊び時間も上手に保つことができ、勉強することにストレスを感じにくいです。ちなみに、わが家の息子たちはこのタイプ。割と元気でやんちゃな子たちでしたが、学習習慣とやることリストの作成習慣をつけたことで、勉強が苦にならなかったように思います」

3.目的意識を持っている子
「将来なりたい職業や夢のために、勉強したり受験したりすることを自覚している子は、積極的かつ意欲的に勉強できるので、成績も伸びやすい傾向にあります」

〈先輩ママの声〉

「娘は小さい頃から、『どうして?』が口癖。年長さんの頃から、よく図鑑で調べ学習をしていました。こうした学びの意欲が、中学受験でも役立ったと思っています」(S.Tさん/中3の女の子のママ)

「いい意味でも悪い意味でも従順すぎる息子。自分の意見はないのかと心配になったことがありますが、塾の先生からは『素直なことはいいこと。素直なお子さんは、受験に向いている』と言われて安心したことを覚えています」(Y.Gさん/中3の男の子のママ)

「中学受験のための通塾を始めてまもなく、お父さんと同じ大学に行きたいという目標を持ち始めた息子。目標が明確になった途端、勉強に熱が入るようになりました」(A.Kさん/小5の男の子のママ)

中学受験に向いていない子はどんな子?

一方で、中学受験に向いていない子には、どんな特徴があるのでしょうか。

1.勉強が嫌いな子
「中学受験を志せば、当然のことながら勉強量は増えます。そもそも勉強が嫌い=勉強を苦痛に感じるお子さんは勉強量が多くなることに耐えられません。勉強させたい親の気持ちと、勉強したくないお子さんの気持ちがぶつかって、受験がただつらいだけになる可能性があります」

2.人の話を聞き入れられない子
「受験はたくさんの人の話を聞きながら進めていかなければなりません。保護者、塾の先生方のお話、志望校、受験校の先生方のお話、受験した先輩方など、たくさんの人たちの話を聞き、学習していきます。適度な従順さは必要だと思います」

3.夢中になっているスポーツや習い事で忙しい子
「スポーツや習い事で通塾や受験勉強の時間が取れない場合は準備が十分できないので、中学受験は困難なものになりがちです。そうならないためにも、あらかじめ受験する目的と、スポーツや習い事との優先順位を親子で話し合っておくことが大切ですね。もしもお子さんが勉強よりも真剣に取り組んでいることがある場合は、無理に受験勉強させなくていいのではないかと思っています」

〈先輩ママの声〉

「同じ塾に通っていたお友だちは、週4日の通塾のほかに、週3日はバスケの練習や試合に力を入れていました。次第に塾の勉強量が増えていく中、宿題を忘れがちになり、成績も下降気味に。結局中学受験は途中であきらめ、その後もバスケを頑張っていました。高校は、バスケの強豪校に進学が決まったそうです!」(Y.Gさん/中3の男の子のママ)

もしもわが子が「中学受験に向いていない子」だった場合、どうする?

わが子が中学受験に向いていない子だとわかっても、諦めずに待つことが大事だと西さんは言います。
「多くの場合、中学受験を検討し始めるのが小学3年生頃。この時点で親から見てやる気がなかったり、勉強嫌いのように見えても、実はゆっくり、のんびりでも少しずつ勉強をしていることがあります。そんな子どもの努力を認めて褒めてあげると、“自分はやればできるんだ”という気持ちが強くなり、頑張ることができるようになります。長い目で見てあげることが大切です」

こうすれば「中学受験向き」になる!

中学受験に向いた子になるための方法はあるのでしょうか。
「自分で学習の目標を立て、計画的に実行する習慣をつけてあげるといいですね。小さな目標から始めて、一つクリアしたら褒めて、次の小さな目標を立てる。成功したらまた褒めていく。このように成功体験を積み重ねることが大切です。達成感を味わうことを知ると、徐々に勉強が好きになってきます。お子さんが人の話を聞かない時は、保護者がまずお子さんの話を聞く姿勢を示してあげてください。話を聞いてもらえるよろこびを知ると、お子さんも人の話を聞く子になります」
西さんによると、小学3年生の頃に中学受験が向いてないと思っても、通塾しながら、上記のことを積み重ねていくうちに、親子で受験体制が整ってくるとのことです。



わが子が中学受験に向いていないと思った場合に、保護者として決して言ってはいけない・やってはいけないこととして、西さんは以下のことを教えてくれました。

1.「勉強しなさい」と何度も叱る
2.子どもの話を聞かずに、保護者の意見ばかり通す
3.保護者が子どもより先にもう伸びない、才能がないと諦めてしまう

お子さんを「中学受験に向いている子」にするのは、保護者の寄り添い方だと言えそうです。
お子さんの可能性を誰よりも信じ、お子さんのことを尊重しながら、共に目標に向かって歩いていけるといいですね。

次回は、「中学受験のデメリット」について解説します。

教えてくれた人

西和美さん/中学受験アドバイザー
双子の母。長男次男とも中学受験をし、別々の私立中高一貫校へ進学。その後、大学受験で国立大学へ(東京大学 / 東京医科歯科大学)。受験は親子関係が大切であり、ママの負担も大きい。自身の経験から中学受験のサポートに悩むママたちの心に寄り添ったサービスを提供している。
サポート詳細や受験期ママへのヒントはブログにて

知っておきたい中学受験のこと