2022.05.02

「おしゃれ好きな女の子のための絵本」

Column

 5冊だけの本屋という女性向け選書サービスを行っておりますミホコです。

 「寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとっても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです」

 これはミッフィーの生みの親でもあるディック・ブルーナさんの言葉です。毎日、大人も子どももいろいろあります。どんな一日でも、夜眠る前に心温まる絵本をゆっくりゆっくりと読んでいると、一日の緊張の糸がほどけて自然とリラックスしてきます。彼の言葉にあるように、それが幸福や心地よい眠りに繋がるのだと思います。この連載では、眠りにつく前にぴったりな心温まる絵本とそれにつながる5冊をご紹介します。

春になったらワンピースの絵本を

 5月になり、ワンピース一枚でお出かけできるようになると嬉しくなります。白シャツやボーダー、デニムなど、春になると着たくなる服ってみなさんあると思います。私にとって、春に着たくなる服は、小さい頃から変らずにワンピースです。春は、真新しい気分になり、ワンピースを新調したくなります。

 そんなワンピース好きの私にとって欠かせない絵本といえば『わたしのワンピース』です。うさぎさんが作ったワンピースを着て、お花畑を散歩すると花模様になり、雨がふれば水玉模様になり、眠っているあいだには星模様になります。可愛くて、カラフルで、まさに春に読むのにぴったりの一冊です。

『わたしのワンピース』にしまきかやこ こぐま社

 同じワンピース絵本といえば、『はるのワンピースをつくりに』。春になり、自分だけのワンピースを作るさきちゃんの物語です。仕立屋さんのミコさんのところで、春にしたいことを語りながら、ポケットや襟、ボタンなどを選んだりするシーンはとっても楽しそう。その一つ一つが、絵本とは思えないほど細部まで凝っています。思わず自分だったらどれにしようかなと、真剣に考えてしまいます。自分のためだけに作られた世界でたった一つのお洋服を着るのは、特別嬉しいですよね。お子さまだけでなく、ハンドメイド好きなママたちも一緒に楽しめる絵本です。布川愛子さんの絵は、細部までとても美しく、本のデザインも丸ごと楽しめます。

『はるのワンピースをつくりに』文 石井睦美 絵 布川愛子 ブロンズ新社

 『食堂かたつむり』の作家・小川糸さんが訳した絵本『かようびのドレス』は、サステナブルな今の時代にぴったりの絵本。着ているだけで幸せになる大好きなドレス。大好きなドレスだから、小さくなったり、ダサくなったり、ボロボロになっても着たい。そんな女の子のためにドレスをリメイクして、ずっとずっと大切にする物語。ただ、おしゃれを楽しむだけの絵本ではなく、クリエイティブな一冊です。

『かようびのドレス』ボニ・アッシュバーン 文 ジュリア・デーノス 絵 小川糸 訳 ほるぷ出版

絵本とつながるおとなのための2冊

 ママになっても、おしゃれするのをあきらめたくない。でも、育児を何よりも優先して、仕事にも追われて、動きやすさや快適さを優先した服をついつい選んでしまう。好きな服を着たいと思いつつも、いろいろ考えすぎて後ろめたさを感じてしまったりする方もいるかもしれません。ママであること、妻であること、娘であること、一人の女性であること、どんな自分もありのままの自分を大切にしたい。そんな時に、心が軽くなるエッセイと短編集です。

 共感度満載の『へそまがり』は、人気モデル・女優の菊池亜希子さんの結婚、妊娠、出産、育児についてのエッセイ。妊娠・出産を機に、育児優先のためおしゃれはあとまわしになってしまった著者。でも、おしゃれをすることが好きだから、育児しながらも自分の好きな自分でいるために自分の好きな服を着ようと前向きにおしゃれを楽しみます。他にも、夫婦のやりとりや、育児の悩みなど赤裸々に綴られています。イラストとカラフルなデザインもまるで絵本を読んでいるような気分になります。

『へそまがり』菊池亜希子 宝島社

 『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』は、ルミネのキャッチコピーをモチーフにした短編小説というだけあって、読後、おしゃれ欲が上がる方も多いと思います。異なるタイプの5人の女性たちが、セレクトショップで今の自分にぴったりな特別な一着と出会い、自分らしさを取り戻していく物語です。仕事や人間関係、自分磨きなど幅広く刺激をもらえる一冊です。

『試着室で思いだしたら、本気の恋だと思う。』尾形真理子 幻冬舎文庫

おしゃれ母娘で妄想が広がる絵本時間

 気候に煩わされることなくおしゃれが楽しめたり、華やかで軽やかな洋服を身に纏ったりするだけで、出かけるのも楽しくなります。きっと、それは大人だけではなく、子どもも同じだと思います。やっと気候も安定し、お出かけしやすい5月。おしゃれ好きなお子さまと、「今度のお出かけにどんな服を着て行こうか?」などおしゃれの妄想をして、お出かけまでのたのしみの一つになればうれしいです。

 それでは、今夜もすてきな絵本時間をお過ごしください。

「5冊だけの本屋」ミホコの今日もハッピーエンド。

5冊だけの本屋 ミホコ

2015年に女性のための選書サービス「5冊だけの本屋」をスタート。お客様のSNSを拝見して、今のお客様にぴったりな5冊を選書している。本好きな女性にも、普段本を読まない女性にも、読書を楽しんでもらうために活動中。