2022.05.06

知っておきたい中学受験のこと vol.4 受験に迷っている小学生ママ必読!中学受験のデメリットは?

Column

6年間の中高一貫教育で大学進学の準備がしっかりできたり、家庭の教育方針やお子さんの個性に合う教育理念を掲げる学校を選べたりするなどのメリットがある中学受験。一方で、デメリットもしっかりと理解しておきたいもの。そこで、「中学受験のデメリット」について、中学受験に悩むママたちに向けたサポートを行う、中学受験アドバイザーの西 和美さんにお聞きしました。中学受験を経験した、先輩ママたちの声とともにお届けします。

中学受験デメリットは?

中学受験のデメリットを4つ、西さんに挙げていただきました。

1.経済的負担が大きい
「中学受験の準備に約3年分の塾代がかかります。また、受験料、入学金、私立中学授業料は年間約60〜130万円。進学校の方が大学附属校より学費が安い傾向にありますが、どちらを選んだとしても、公立中学進学よりも経済的に大きな負担がかかるという覚悟は必要でしょう」

2.勉強嫌いになったり自信喪失の可能性がある
「実力テストなどを通して自分の偏差値や全国の順位が明確に出ることは受験対策には大切なことですが、勉強しても偏差値が上がらない、一向に合格圏内に入らないなど、厳しい現実に打ちのめされる可能性もあります。このようなことは、わが家の息子たちの中学受験時でも経験がありますが、お子さんが自信をなくさないように保護者がフォローすることが重要です。また、模試の結果が芳しくないと『勉強しなさい』『ちゃんと勉強しているの?』と保護者の方が焦ってしまい、つい言ってはいけない言葉を口にしてしまいがちに。これが勉強嫌いや自信喪失に拍車をかける場合も」

3.保護者の負担が大きい
「保護者は塾の送迎や塾の説明会、受験予定の中学校の説明会への参加が必要になります。6年生になると、お弁当持参が必須の塾もあります。共働き家庭では、役割分担が必要になるでしょう」

4.子どもの遊び時間、習い事の時間が受験勉強に奪われる
「小学校高学年になると、中学受験に専念するために遊び時間やこれまで続けてきた習い事、スポーツの時間を受験勉強の時間に充てていくことになります。お子さん自身が好きなこと、夢中になれることがわかってきたときに、それらを一度中断しなくてはならないのは、悩むところだと思います」

中学受験のデメリットを解消するには?

中学受験のデメリットを解消する方法はあるのでしょうか。

1.経済的負担はどうする?
「経済的負担については、価値観の問題になると思います。年間100万円前後の授業料を払っても、私立独自のカリキュラム、個性を伸ばす教育、グローバル教育を受けられることや進学実績の安心感など大きな魅力もあります。中学校からの6年間で子どもにどんな教育環境を与えたいのかが明確だと、経済的負担についても納得できると思います。
また、専業主婦であった私も、子どもたちが中学受験を終えた頃から時間ができるので、少しずつ仕事に出ることが可能になりました。夫婦で働くことができるようになると、経済的な不安も解消されていくと思います。
ちなみに中学受験をして中高一貫校に通ったわが家の息子たちは、高校2年生になって初めて大学受験の予備校に通いました。しかも教科は、長男は1科目のみ、次男は2科目。それまでは学校の授業と課題のみで十分でした。高校受験の場合、中学に入ると塾へ行き、高校入学後にも大学受験に向けて塾へ行く子が多いと聞きます。そう考えると、経済的負担は中学受験した方が少し多いか同じぐらいの場合もあり得ると言えます」

2.勉強嫌いや自信喪失への対処法は?
「お子さんを勉強嫌いにさせないためにも、親子でテストの成績に一喜一憂しないようにしましょう。……と話す私も、子どもたちの中学受験時には、テストの成績に一喜一憂していました。ただ、その不安な気持ちを子どもに伝えることはしませんでした。中学受験で子どもの自信をなくしてしまったり、勉強嫌いにさせてしまったりしては、この先の大学受験まで努力する気持ちを保てなくなってしまいます。
「大丈夫、ゆっくりでいい」と、お子さんに伝えていきましょう。勉強はこれからも続くので、保護者は、長い時間を裏方で支えていく必要があります。結果がすぐに現れないお子さんもいることを受け入れ、受験を楽しむ、勉強を楽しむことを意識できるといいですね」

3.保護者の負担は解消できる?
「保護者の負担については、塾の送迎とお弁当が一番大きいと思います。共働き家庭、兄弟がいて送迎が難しいときは、子どもが自分一人で通塾可能な塾を選ぶといいでしょう。お弁当は朝に作って冷蔵庫に保管し、子どもが準備して持っていくなど、ご夫婦や親子で話し合い、工夫しましょう。近年は学校説明会、見学もオンラインで行う学校も多く、以前より負担は軽くなっています」

4.子どもの遊び時間、習い事の時間が奪われることについて
「中学受験をやめて遊びや好きなことをする時間を持ったとして、公立中学に進学したとしても、高校受験でも同じ問題が起きます。子どもにとって今が大切か、その先が大切か。よく話し合って考えていただきたいと思います。
また、受験勉強よりも大切に感じる習い事やスポーツがある場合は、勉強時間を少なくしても、お子さんの好きなことを優先させてあげましょう。毎日の計画表(やることリスト)を作り、時間をやりくりして両立できると、自信につながります。ただし、お子さんが中学受験を望まない場合は、高校受験で好きな分野に特化した学校へ進学する方法もあるので、無理強いすることなく切り替えることも前向きな決断だと思います」

先輩ママ発!中学受験のデメリット、わが家はこう乗り越えました!

先輩ママたちは、中学受験のデメリットをどのように乗り越えたのでしょうか。

レジャー費を抑えて経済的負担を軽減
「娘が小4になったときに年2回の家族旅行をやめてレジャー費を抑え、小5からは両家の実家への帰省を控えました。トータルで250万円ほど浮き、塾代や入学金や授業料の一部に当てることができました」(S.Tさん/中3の女の子のママ)

パートをしつつ家計も節約モードに
「小学校入学と同時にパートを始め、お給料はすベて貯金。小5のときにマイカーを手放しました。家計も節約モードに。中学入学後も節約の習慣がつき、結果的にいろいろよかったなと思っています」(E.Yさん/中2の男の子のママ)

過干渉をやめて“勉強嫌い”を回避
「自宅学習の際にもリビングで勉強させ、近くで見守るようにしていました。ところが息子が少しでも休むと気になってしまい、その度に声をかけていたら、『もう勉強なんかしたくない!』と。その後しばらく自宅学習を拒むように……。そこで見守りをやめ、勉強時間の管理も、ホワイトボードにその日の学習内容を書いてフォローするようにしました。ゴチャゴチャ言うべきではなかったと反省」(A.Fさん/中1の男の子のママ)

何でも完璧にやろうとしないことが大事
「勉強時間や模試などのスケジュール管理、塾の送迎や学校の情報収集など、6年生の1年間は、今思い出しても本当に大変でした。特につらかったのが、塾弁。健康管理もしっかりしなきゃと毎朝早起きして手作りしていたのですが、仕事の繁忙期などは体力的にも限界に。そこで、週の半分は塾の近くのお弁当屋さんで買っていってもらうことにしたら、かなりラクになりました。何でもかんでもちゃんとやろうと思わないことが大事だと感じました」(S.Rさん/中1の女の子のママ)

中学受験よりもやりたいことに打ち込むという選択
「息子の塾のお友だちが6年生の夏休み前に中学受験から撤退しました。理由は、大好きなサッカーに打ち込みたいから。6年生になって授業数も増え、土日も模試や塾のテストで思うようにサッカーの練習ができなくなり、モヤモヤが爆発。中学受験よりもサッカーがしたい!というお子さんの気持ちを親御さんが汲んで、円満にやめていかれました。我慢してストレスを感じながら中学受験に向かうよりも、得策だと思います。その後もお友だちはサッカーを頑張っています」(R.Yさん/中2の男の子のママ)



どんなことであっても、メリットもあればデメリットもあるもの。その中で、何に重きを置くかということが中学受験をするか否かの重要なポイントになるでしょう。さまざまな視点から総合的に判断し、家族にとって最良の形を選んでいくことが理想です。

教えてくれた人

西和美さん/中学受験アドバイザー
双子の母。長男次男とも中学受験をし、別々の私立中高一貫校へ進学。その後、大学受験で国立大学へ(東京大学 / 東京医科歯科大学)。受験は親子関係が大切であり、ママの負担も大きい。自身の経験から中学受験のサポートに悩むママたちの心に寄り添ったサービスを提供している。
サポート詳細や受験期ママへのヒントはブログにて

知っておきたい中学受験のこと